JAMSTEC一般公開

(独)海洋研究開発機構の一般公開に昨日行ってきました。


4/28の娘。コンの帰りの京急車内に案内が出ているのを見て、確かタモリ倶楽部で以前紹介されてたなぁ、ということを思い出し、こりゃ面白いかもということでふらふらと。地球シミュレータがある横浜研究所の一般公開は終わっていたのが残念だったのですが、これはまた別の機会に行きたいなぁ、と。

10:10頃に追浜駅に到着して送迎バス乗り場に行くと、100人以上の行列ができているのには少々驚き。また、思っていた以上に家族連れやら高齢者が多いです。そういう客層(?)なんだぁ、と新しい発見。

バスに揺られて10分ほどで現地に到着。まずは、海洋調査船「かいよう」の体験乗船の抽選に申し込み、それから「無人探査機整備場・潜水調査船整備場」に移動。ここでは、「しんかい2000」「しんかい6500」が展示されていました。去年の映画「日本沈没」で見た光景が目の前に、と思うとなかなか興味深いです。

2000のほうは運用停止しているので展示されているのは分かるんですが、6500は現役のはず、と思って聞いてみたら、定期点検(?)のため陸揚げしているとのこと。まだ運用中のものを、客が触れるような場所に展示するとはなんと太っ腹な。

耐圧なのって乗員の居住空間だけで、それ以外は普通に水圧がかかる、なんてのは初めて知りました。配管とか、外から圧力かかって大丈夫なんですかねぇ、という間抜けな質問にも丁寧に答えて下さった研究所員に感謝。

ここで「かいよう」の乗船抽選結果を見に行きましたが、残念ながらはずれ。日頃の行いが悪かったに違いない。

てなわけであきらめて、目の前に停泊している海洋調査船「なつしま」へ。内部をひと通り見ることができましたが、船の設備って意外とアナログなものがちゃんと使われているんだなぁ、というのが印象に残っています。むろん、最新型(だと思う)レーダなどもあるんですけど、メータはアナログだしスイッチも(今にしてみれば)懐かしい雰囲気だし。

... しかし、あちこちの設備に注意を促すテプラが貼ってあるのはともかくとしても、ログインパスワードが貼ってある(しかも単純な文字羅列)のはちょっとまずいんじゃぁ。

ひと回りして、無人探査機「ハイパードルフィン」が置かれているのを見ていたら、ちょうど「かいよう」が午後の体験乗船に出航するところでした。双胴船だったんですねぇ。

「なつしま」を下船して昼食をとり、「潜水シミュレータ棟」に移動して圧力環境体験を見物。これ、圧力実験用のカプセル(潜水シミュレータ、で良いのか?)に、どこかの女子高生(高崎女子高校だったかしらん)を数名放りこんで水深30m相当の圧力をかけて反応を見る、という、マニアにはたまらん企画:-)

外部には、内部の圧力(を水深で表現したもの)と気温と湿度モニタ、そして内部を移すモニタが置かれ、実験スタート。2mも潜らないうちに、何人かが耳が痛いとのたまり、0mまで減圧。説明の方によれば、人によっては0.3mぐらいで耳抜きしないと痛くなってたまらないらしいです。

再度圧力をかけはじめると、ぐったりしている学生もいればキャピキャピ(←死語)している学生もいて、結構反応が違うのが見ていて面白いです。5mぐらい潜ったところで、3,4名がギブアップしたため、再度減圧して外へ出てきました。

またもや圧力をかけはじめると、今度はノンストップで一気に加圧。途中、断熱圧縮のためか、2mに1℃ぐらいの割合で温度がみるみる上昇し、開始時点で24.5℃ぐらいだったのが、26m相当の場所まで圧力をかけると36.5℃ぐらいまで上昇。ここで、温度の限界ということで加圧ストップ。中を見ると、女子高生がみんなうちわで互いを扇ぎまくっています。炭酸飲料を、よく振ってから開けても何も問題がなかったり、なかなか面白い世界です。また、何人かが風船を膨らませていたんですが..

加圧停止から2分後に減圧開始。すると、今度はみるみる気温が低下していきます。途中、さっき膨らませた風船がパンパン割れて女子高生びっくりの光景とか、霧がかかって真っ白になってしまう光景とか、これまた見ていて面白いです。いやはや、勉強になります。

その後は、本館に移動してセミナーを聴講し、生態環境実験棟に移動して深海生物の展示を拝見。深海のヒトデやエビに触れるコーナがあったりしたので、恐る恐る触ってきました。深海の高圧環境から持ってきても大丈夫なんですか?と聞いてみたら、展示しているのは大丈夫だったやつであるとのこと。当然のこととはいえ、プレッシャーの変化に強いやつも弱いやつもいる、というのは、上記の圧力実験の女子高生も同じですね。

深海総合研究棟のラボツアーで面白そうなものがあるかなぁ、と思ってのぞいてみたら、いちばん面白そうなのはすでに満席でしたので、ちょっと微妙だった「水のひみつ」に申し込んでみました。開始まで時間があったので、体験乗船から戻ってきた「かいよう」に乗り込んで内部を一周。

こちらは、「なつしま」と違って、ほんの1時間前まで実稼働していたせいか、あちこちに船員さんがおられてお仕事中。厨房では何やら仕込んでいる光景も目にすることができました。

ちょうど時間となったので深海総合研究棟に戻り、ラボツアーへ。「水のひみつ」ということでどんな内容になるのやら、と思っていたら、超臨界水の話とか、高温高圧下でのセルロースの調理("Cooking cellulose in hot and compressed water")やら、という、思っていたよりも面白い内容でした。コロイド化した金が入った水はピンクに見える、なんていう話もあり、なかなか興味深いものでした。ラボツアーのタイトルをひと工夫すれば、もっと人気が出ると思います。

てなことをやっていたら、終了時刻の16:00を大きく回っていました。半分ぐらいの施設しか見てないんですけど、時間切れなのでうしろ髪ひかれ隊な思いで会場を後にしました。

こういう一般公開、最近では2年前にNHK技研のやつに行きました(再来週ありますね)が、これは半分仕事なのであまりお気楽モードにはなれませんでした。でも、今回のは120%お気楽モードなのでひたすら楽しむことに集中してました。これ、楽しいです。ちょっとはまったかもしれないので、今度は別の研究機関に行ってみようかな、と。

... 写真撮ってくれば良かったなぁ。